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06 06
インタビュー
THEME TALK
コンプライアンス室長/
有効利用委員会委員長
(西日本組合)
原田 典元
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「時代のニーズに応える」
それがこれからの全油連の役割

コンプライアンス室長/
有効利用委員会委員長
(西日本組合)

原田 典元

INTERVIEW インタビュー

ようやく国と連携した取り組みを行う段階にきた

全油連の設立時は、業界内のルールや各事業者の経営が安定していない、油脂業界がまだまだ成熟していない時代だったと記憶しています。実際に私が全油連に関わるようになったのは今から15年ほど前で、理事会が世代交代を進め、若返りをはかり始めた頃でした。また、並行して進めていたのが業界の健全化です。廃棄物処理法に則って順法行為を浸透させようと体制を整え始めた時期でもありました。そこで、業界全体が足並みをそろえ、襟を正していくことを目指したのです。
まず業界を健全化に導くためには、全油連が業界全体に対して影響力を持つことが必要です。それには国と連携を取ることが非常に大切な要素となります。そこで、農林水産省や環境省に通い詰め、全油連の活動の趣旨や今後の方向性を説明し続け、ようやく話を聞いてもらえるようになったのがこの10年間の成果です。そして、次のステップとして行政と連携した取り組みを始めようというのが今の段階になります。期せずして、時代は温暖化防止やCO2削減といった大きな流れが起きています。そんな中、廃食用油はそれに大きく寄与できるものでもあります。今後は排出事業者に対して、燃料化や餌化、輸出など我々が預かった廃棄物をどうリサイクルするか、用途の選択肢を増やす活動を行うことが重要になるでしょう。

「集めて売る」は手段であり目的ではない

廃食用オイルの回収というのは、事業として「集めて売る」ことを目的に始まっています。それがいわゆる“第一世代”の人たちが行っていたことですが、世代交代の結果、今は私たちが主導していく立場となりました。時代も変われば、当然、廃食用油の価値自体も変わっています。なので、それに合わせて我々自身の意識も変えていかなければなりません。
極端に言えば、我々はもう「売る」ことを目的にすべきではないと私は考えます。廃棄物の適切な処理が目的であり、リサイクルして「売る」のは手段のはず。つまり、手段と目的をはき違えないようにしないといけないと思うのです。全油連は社会の要請に応えられるよう、意識改革を業界内に浸透させていくため、変革のきっかけづくりをしていく“ハブ”となる必要があります。そうした意味では、定期的な研修会などを継続して催すことは非常に有効です。また、目先の目標ではなく、5年、10年といった中長期計画も今後は必要になってくるでしょう。事業者はもちろん、社会的ニーズも取り入れながらどう変化していくべきなのか、どういう方向に向かうべきなのかを熟慮する時期に差し掛かっていると感じています。

全油連をどこよりも情報が集まる場所に

今、世の中はSDGsやサステナブル、CO2削減などに大きな関心が集まっています。これだけ環境問題に関心が高まっているということは、廃食用油の重要性も今後さらに高まっていくことが予測できます。そうなると、リサイクルされた廃食用油の用途や、精製の過程などについて、一体何が“正義”なのかということについても徐々に確立されていくはずです。また、それによって需要も変化していくと思います。
そして、もう一つ忘れてはならないのが食料問題です。世界には飢餓で苦しむ国がまだまだあり、穀物が足りていないという状況があります。そんな中、豊かな先進国だけが穀物を家畜の餌にしているのも事実です。UCオイルは飼料原料になるものであり、有効活用することによって後進国の食糧問題を解決するものになります。そうした国内外の課題や問題にアンテナを張ることで、我々の業界が進むべき道がより明確に見えてくるはずです。
経営者の多くが、自社を「100年続く企業にしたい」と願っています。その思いを実現させるには、時代のニーズに合わせて会社を変化していく必要があると思うのです。全油連は変化のヒントとなる情報が集まりやすい仕組みができています。業界の事業者のためにも積極的に情報を発信していくことが今後さらに求められていくのではないでしょうか。

       

(取材:2021年11月10日)