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05 05
インタビュー
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理事(東北関東リサイクル)
大栗 宏
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全油連こそが
油脂業界を次世代に導く

理事
(東北関東リサイクル)

大栗 宏

INTERVIEW インタビュー

次世代を担う若手の交流の場を復活させて

私は全油連が設立された20年前に加盟し、その後、一度離れることになりましたが、2021年にあらためて再加入し、現在は理事を務めています。ただ、会を離れている間も、5、6年ほど前から青年部の集まりに呼ばれる機会が度々あり、油脂業界を盛り上げたいという熱い思いをもった同じ業界内の若手たちと話し合ってもいました。全油連にとっても次世代を担う若手メンバーを育てることは非常に重要です。その意味では、青年部は貴重な場でしたが、残念ながら2021年5月からは活動を中止しています。若手にとって他社と交流を持つ場はそれほど多くなく、また議論できる場は限られています。また、全油連にとっても次世代を担う人材を育成する機会を逸することにもなり、これは非常にもったいないことだと感じています。
ですが、一方では私は、場がなければ自分たちで作ればいいとも思っていて、実際に各地の若手たちがそれぞれコンタクトを取りつつ、懇親会を開いてもいます。私もその場に呼ばれていて、彼らの思いやこれからのビジョンなどを伺っています。こうした動きに対して、全油連からサポートしてあげることも大切です。少しでも集まりやすい環境を整えてあげることも急務でしょう。それがいずれ全油連という組織にもプラスになるはずです。

排出事業者が望む用途を掴むことも大切

現在、私が懸念しているものの一つが、UCオイルの海外輸出の増加です。年々、輸出への依存が強まってきていますが、UCオイルの消費はできる限り国内に向けていくべきというのが私の持論です。なぜなら、近年これだけSDGsやカーボンニュートラルの必要性が叫ばれている中で、排出事業者も会社の取り組みとして廃食用油を有効活用していきたいと望んでいるからです。
例えば、脱炭素化の取り組みとして廃油のリサイクルとして燃料にすることで、企業としてもCO2削減にどれだけ協力したか、数字で出すこともできます。事実、工場などで廃油をボイラーの燃料にしている企業なども散見されるようになりました。今、そうしたニーズに応えなければ、排出事業者は独自の動きを始めることでしょう。そうなると、全油連の存在意義が揺らぎかけません。
とはいえ、全油連が主導して廃食用油の使い道を方向付けるのも違うと感じていて、組織は皆で作り上げるものであり、一方的に考えを押し付けることは業界にとってはマイナスになる場合もあります。そこで、本来の役割に立ち返ることが重要であり、例えば廃食用油の活用方法の選択肢を広げたり、燃料化する際の補助金活用の情報を提供したりと、そうした業界へのサポートは求められる役割の一つになるはずです。これからSDGsやカーボンニュートラルへの取り組みをスタートさせる企業向けに、勉強会などを主催するのも一手でしょう。それがまた業界の活性化につながるのではないでしょうか。

書類の電子化はCO2の削減にもつながる

油脂業界を支えている事業者の中でも特に多いのが収集運搬会社です。そもそも全油連は、廃油の収集運搬会社の生業を成り立たせるために作られたという側面があります。今後はそうした業者のメリットになることを考えていくことも大事になると考えています。そのサポートの一つが、データ管理システムです。これまでは一般的に、伝票や手続き書類などは紙が主流でした。ですが、専用システムを導入すれば伝票整理に関する費用や時間のコストを大きく下げることが可能になります。また、何よりもCO2削減にもつながるので、企業にとっては価値ある取り組みとなります。
働き方改革という点においても、作業の時短を促進するものでもあり、時代のニーズにも即しています。また、今後は電子契約が主流になっていくことも考えると、導入するメリットは大きいでしょう。これまではシステム導入に莫大な費用がかかり、中小企業は手を出しにくいという状況が続いていましたが、今は安価に利用できるものも開発されています。そうした企業にとって得となる情報を全油連が主体となって説明会を開くなど、積極的に情報提供をしていくべきです。それが全国組織のあるべき姿ではないかと思っています。

       

(取材:2021年11月10日)