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02 02
インタビュー
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副会長(東日本組合)
吉岡 和広
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「JAS規格制定」の先に目指す、
油脂業界の未来

副会長
(東日本組合)

吉岡 和広

INTERVIEW インタビュー

初代青年部会長として見る青年部の功績

私は全油連発足時より、組合員として参加してまいりました。また、全油連発足から数年後に結成した青年部の初代会長でもあります。就任した当時を振り返ると、排出事業者のチェーン化やスーパー化が進んでいた時期であり、油脂業界を取り巻く環境が大きく変わる時代の変革期でした。
立ち上がったばかりの頃の青年部は、全油連を発足した方々のいわゆる“二代目”たちで構成されていて、業界の変化に順応するためにはどうすればよいか。そして、次の時代の担い手として世代交代をどのように進めるべきか。そんな議論を重ねていました。青年部は、若い頃から全国の回収業者同士で議論し合える唯一の場であったと思います。
一方で、全油連の創成期は回収業者同士の繋がりが今よりも薄い状態であったと記憶しています。排出事業者の業態の変化も相まって、顧客を巡る対立が見られることもしばしばありました。そうした中で、業界のルール作りなどについて話し合いを続けてきたのも青年部です。直近10年では、業界全体の世代交代も進み、全油連としても当時の青年部出身者たちが中心となって活動しています。今では、回収業者同士が協力し合えるような良い関係が構築されてきたと思いますが、青年部はその一助となったのではないかと感じています。

業界の地位向上のために「JAS規格制定」を目指す

昨今の脱炭素化促進の流れにより、油脂業界が注目され始めています。一方で、排出事業者からは、油脂業界の存在価値を正しく認識いただけていない現状があると感じます。つまり、我々が単にUCオイルの回収を目的とした業者として映っている側面があるということです。これは、我々にとって大きな課題の一つです。
現在、私は全油連においてUCオイルのJAS規格制定を目指して活動しています。その目的の一つは、油脂業界の地位向上です。そのためには、JAS規格という分かりやすい仕組みを導入する意義は大きく、油脂業界に対する排出事業者の納得度が今以上に上がることを期待しています。それに伴い、油脂業界の社会的な認知度も向上するだろうと考えています。
これまで回収業者は、UCオイルを回収するだけで成り立っていたかもしれません。しかし今後は、どのような形でUCオイルを再生し、そして排出事業者先へ還元できるのか、という点も求められてきます。排出事業者がUCオイルを排出することでメリットを感じていただければ、リサイクルループの活性化につながります。
油脂業界というのは、元々は折角の資源を大切に使おうという精神から生まれた業界だと思っています。我々自身としても自分たちの仕事がどれほど地球環境のために重要なものであるのかを深く認識することが大切です。

UCオイルの高品質化に向けた全油連の役割とは

全油連としては、回収業者の皆様の意見をなるべく多く取り入れながら、JAS規格のスキームを構築していきたいと考えています。ただし、地域ごとの生活習慣や気温の違いに起因するUCオイルの品質の差を、いかに全国的に統一させるかについては難しい課題だと思います。この点については、組合員の皆様と活発に議論しながら全体の調整を図りたいと考えています。
JAS規格の運用開始後は、全油連として適宜フォローを行うなど維持管理の役割を担っていく予定です。作ったスキームは関係各所の皆様に適切に理解していただく必要があるため、研修などを通じて全国的な啓蒙活動も行っていく予定で、今後5年で実現できるよう進めていきたいと考えています。
日本のUCオイルの品質は海外から高く評価されております。それは、日本の「もったいない」という精神に基づいていると私は考えています。UCオイルなど使い終わったものまできちんと管理している企業が日本には数多くあります。この基盤の上に、JAS規格があればリサイクルしてできた製品が今以上に良いものになるはずです。UCオイルは、最終的にすばらしい製品に生まれ変わるポテンシャルを持つものなのだ、ということが周知できれば、社会的にも油脂業界に携わる皆様自身も、業界に対する意識が変わってくるはずです。それが実現できれば、油脂業界で働く者として大変うれしく思います。

       

(取材:2021年11月10日)